A.I. Artificial Intelligence プログラムに宿る愛

おはようございます。カップラーメン一食は、さすがにしんどい。

 

映画見たいなと思い始めてから、なかなかタイミングが掴めなかったのですが、ようやく映画を見ること叶いましたよ。今回見た映画は A.I.  Artificial Intelligence です。これ、どこまでがタイトルなんですかね。気づいたらウォッチリストに入ってたので、そこまで興味があった作品では無かったのですが、気付いたら視聴していました。

これから、映画の感想を書いていきます。ネタバレがあります。ネタバレがあるということは、ネタバレがあります。ネタバレ注意のバリエーションにもね、そろそろ限界がきてる。

 

 

 

 

 

A.I. は、SF+ヒューマンドラマの作品です。ヒューマン? いや、ヒューマンで合ってる。序盤こそドラマ的な印象が強いんですけど、中盤から急に雰囲気が変わってビックリした。てっきり、主人公は母のモニカだと思ってたんですけど、ジャンクフェアあたりでようやくデイビッドが主人公だと気付きました。遅すぎる。ロボットと人間の母のすれ違いを延々描く映画だと錯覚してたね。姥捨てならぬロボ捨てされてから、ジョーのシーンに移ったもんだから、脳が状況に全く追い付かなかった。そんでもって、終盤は2000年経過してるし宇宙人っぽいのも出てくるし。お馴染みのグレイスタイル。宇宙人じゃなくてロボットらしいけど。この映画、舞台がコロコロ変わるから混乱するんだよな。前半とそれ以降が分離してるような気がしなくもない。

 

近未来風の家から一転、ギラギラしたネオン輝く街に切り替わる落差をみんなに味わってほしい。体験したひとなら、あの衝撃が分かるはず。ただ、衝撃だからといって、嫌いなわけじゃない。むしろ好き。ルージュシティみたいな、いかにもな街並み良いよね。ああいう街をどう表現していいか分からないから、ブレードランナーっぽくて好きとしか言えない。映画の表現に映画の名前出すの、何か通っぽくない? いや、語彙力が無いだけか…。

デトロイトにもアンドロイド風俗の店があったけど、外装はまだあっちの方がスマートだったなあ。ルージュシティは全体的に下品な感じ。決して、悪い意味ではない。ドクター・ノウも予想外だった。ルージュシティの描写がとにかく一番ワクワクしたね。あ、街に入る前の大きな口の道路良かったな~。デスピリアにあんなやつ感じのやつあった気がする。あっちは、コードで繋がれまくってたけど。それにしても良い悪趣味だった。最高。

 

最高なルージュシティを代表するキャラクター、ジョーもまた最高なんですよね。ロボットなのにめちゃくちゃキザだし、顔も良いし、何だかんだ優しい! 首を捻って音楽を鳴らすのかっこいい~。もっと効率的な動作ができるだろうに、わざわざああしてるんでしょうね。いい。ロボットらしく、手のひらに投影? して文字通り手鏡で顔を整えたり、髪色を変えてるとこ好き。ああいうらしさが出てる描写好きですね~。ジョーがいたおかげで、この映画も楽しくみることができました。前半が結構しんどかったからね…。

最後、連れていかれるときの「I am! I was!」っていうセリフ印象に残ってる。間にandが入ってたかな。印象に残ってるといいながら記憶が曖昧だ。これも人間ゆえ。字幕だと俺は充分生きた! そして死ぬ(消える) みたいな感じだった気がする。やべ~かなりガバ記憶だった。現在形と過去形で表すの、何かオシャレだなあって思ったんですよね。英語圏の人からしたら、ありがちな表現なのかもしれない。いやでも、あのシーン良かったなあ。ブレードランナーもそうですけど、ロボットは名言を残さないといけない使命でもあるのかな。

 

肝心の主人公、デイビッド君に全く触れてなかった。この子は、なんというか切ないロボットでしたね。本当の息子、マーティンが快復したあたりでモニカが踏ん切りをつけられなかった結果、いろんな人間に振り回されるようになってしまいましたからね。最後に、復元された母と一緒に寝ることができたのは、不幸中の幸いというべきでしょうか。

ただ、可哀想とはいえ、最初のデイビッド君は怖すぎるんだよ。急に大声で笑い出したり、かくれんぼがあんまり分かってなくてトイレのドア開けたりするのは、ちょっとビビっちゃう。割と早いうちに感情表現もするようになったけど、大体怯えの感情だったし。愛が欲しいのに人間から離れてた方が安全というのは、なかなか皮肉が過ぎますよ。

忘れちゃいけないのが、デイビッド君の良き相棒ことテディ―です。くまのぬいぐるみって何であんなに可愛いんだろうね。針と糸を自在に操って自分を縫えるし、かなり頑丈(2000年経っても動くのは、どういう仕組みなんだ)。それでいて、とても優しい。ちょっと声は低いけど。悪い所が一つもないですよ。理想のテッド像です。テッドは、マジでガワ以外可愛さゼロだったからなあ。可愛いくまのぬいぐるみが見たいなら、A.I. を観よう! 

 

作中で何度もピノキオの話が出てきますが、ブルーフェアリーなんてキャラクターがいたのは知らなかった。ピノキオの映画見た気がするんだけど覚えてなかったのかな。ブルーフェアリーが水没した遊園地のマネキンっていうのは、個人的に結構好き。博士は、自分がブルーフェアリーとか言ってたけど、デイビッド君を優秀な機械扱いしてたから、その名を名乗る資格は無かったんですね。ブルーフェアリーのホログラムが母を復元したことで、結果的にデイビッド君の人間になりたいという願いは叶えられたのは良かったなと思います。遊園地のブルーフェアリーに祈り続けて終わりでも話としては悪くないと思うけど、それだと流石に救いが無さ過ぎるから、あの終わり方で良い。

 

それにしても、いきなり宇宙人(スーパーA.I.)が出てきて、宇宙時間なんて概念を引っ張り出してきたのはさすがに驚きましたね。やたら都合の良い条件を提示したり、デイビッド君の幸せを願ったりしてて怪しかったから、ついに妄想するようになったのかと焦ってしまいました。さも当然のように人類が絶滅してるのも笑っちゃった。まあ、2000年後なら人類滅亡しててもおかしくないですよね。なんなら、明日でも良い。あからさまな宇宙人(スーパーA.I.)を見ることが出来たのは、一周回って嬉しさしかない。

 

あと言うことあるかな。そういえば、本作は水と鏡のシーンが多かった気がしますね。マーティンに抱き着いて水の中に逃げ込むも、自分は置いてけぼりになるシーンとか、かなり心にくるものがあった。何か、水って逃げ込むところみたいな印象が自分の中で確立されはじめました。パーフェクトブルーでも、風呂の中で叫んでたしね。いや、逃げ込むってのは水が表す側面の一つに過ぎないのかな。水のテーマは、母性のような気がしてならない。きっとそう。わざわざ水中にブルーフェアリーがいるのも、そういう意味が込められてるんだと思うな。

鏡のシーンが多く感じたのは何だったんだろう。ガラス越しのデイビッド君が怖く見えたから? 後光を浴びた研究施設の象が、ガラスを隔ててプレッシャーを感じさせたからら? 意外と鏡のシーンは、これ以上思い浮かばないな。気のせいだったかな。

 

水と鏡以外で覚えてるのは光かな。デイビッド君を本格的に起動するときの光。あのシーンは、モニカが膝をついてるのもちょっと気になる。目線を合わせるためにしゃがむとかじゃないんですよね~。ルージュシティのギラギラした光や研究施設の病的な光。やたら白い光に当てられたデイビッド君の顔を見て、ようやくパッケージの画が回収されたと小さく感動した。 光の当て方で、人って見え方が変わるの面白いですね。

 

他には、髪を切らされるのがまさかの伏線だったとか、ロボットの破壊ショーがなかなか残虐だったくらいです。あ! 不良品ロボットを追いかけるバイク乗りが妙にかっこよかったな。あれのせいで、雰囲気がガラッと変わったんですよ。思い出したぞ。破壊されるロボットたちの造形は、らしさ全開で良かった。デトロイトの地下に閉じ込められてるロボットたちも、似たような造形だったよね。

ああ! 思い出した! 冒頭の女性ロボットの顔がパカっと開くとこ。あれ好き。ロボットの顔が開いて、金属面が見えるのカッコよすぎるんだよな。私もロボットになったら、あの機能搭載して欲しいくらい好き。

 

ちょっと長くなりましたが、以上がA.I. の感想です。他の映画やゲームを参照したり、水や光といった演出部分に注目した結果、ちょっと通っぽい感想になってしまった気もする。実際は、思ったことをそのままぶちまけてるだけなんだけどね。こういう映画の方が感想は書きやすいことが、改めて分かりましたね。アクションは見てて楽しいけど、直感的な楽しさだから伝えにくいんだよなあ。いや~、それにしても面白い映画でした。見終わった後はそれほどでもないと思ってたけど、この感想書いてるうちに面白さが後ろから湧き立ってきた。不思議。

無駄に長い文章は、拙文の証明ですね。これ以上、拙さをひけらかさないよう、ここらで終わっておきましょう。さようなら。

 

今日のご飯 力もちうどん