ジョーカー、素晴らしい喜劇

おはようございます。急に気温下げすぎじゃないでしょうか。

 

昨日は雨が降るか降らないかの瀬戸際でしたが、今日はそこそこの天気になったので、ジョーカーを見に行ってきました。ジョーカーに関する知識を何一つ持ち合わせていないまま。そもそも、バットマンすら見たことない。ツイッターだと、タクシードライバーは見ておけ、キングオブコメディは前提条件だ、という声がちらほらありましたね。逆に、何も前提知識はいらないぞ! という声も聞こえてきたため、そちらを採用。都合のいいことだけを受け入れていくぞ私は。

これからジョーカーの感想を書いていくわけですけど、バリバリ上映中の映画なんで、ネタバレを気にするひとはここらでお帰りください。間違って出口に体ぶつけないように、しっかり前を確認して帰りましょう。

 

 

 

アメリカで荷物検査を実施しているとか、誰もがジョーカーになりうるみたいなのをツイッターで見て、好奇心のみで映画を見に行ったんですね。この好奇心は間違ってなかった。ほんとに面白い映画でした! ファイトクラブに並んで、人に薦めたい映画です。全体的に生々しく、重い空気が漂っているのに、不思議と見終わった後は楽しい気持ちになります。まるで、ジョーカーが心の中で小踊りしてるかのような、そんな感じ。映画終わったら、皆暗い顔して出てくるんだけどw みたいなコメントは嘘ですからね。皆もジョーカーを見に行って、私と同じ気持ちを味わいましょう!

 

とにかく、全体的に結構しんどいシーンが多かったですね~。子どもにボコボコにされてタイトルインとか、悪趣味にも程がありますよ。テレビに出演する自分を思い浮かべるシーンで、似たような感じのやつ見たことあるなあ(未来世紀ブラジルラ・ラ・ランド)ってなっちゃった。大男を殺したあと、優しくしてくれたという理由で小人を逃がすところが個人的に印象深いですね。てっきり、殺害現場見られたから殺すのかと。そういうところは理性がきっちり働いてて、なおさら不気味でした。

階段をしんどそうに登るアーサーと、悠々と階段を降りていくジョーカーの対比がいいですよね。前者はまだ社会と共にあろうとしているけれど、後者はありのままの自分のために社会を捨てて堕ちていく。そんな風に受け取ることができます。うきうきで階段降りてたら警察に追いかけられるジョーカーいいですよね~。あそこ、かなり面白いシーンだと思うんですけど、周りの観客の笑い声が全く聞こえませんでした。周りが笑わないとこっちも笑いづらいから、がっつり笑ってくれていいんですけどね~。

 

アーサーの境遇だったら、誰でもジョーカーになりうるというのは全くその通りだと思いました。テレビで笑いものにされて、母親に裏切られて、病気のために奇異の目で見られるとか闇落ちしない方がおかしいですよ。ペニーは枷になってるから、この人がいなくなったら、いよいよだなと構えてたそばから殺してて驚いた…。あの状態までいくと、もはや無敵の人ですよね。失うものが無いという一番の強み。私も将来、無敵の人になってしまうのかな。悪事を働くほどの度胸はないけど、実際にその環境になってみないと分かりませんからね。戦争で人肉を食らって生き延びるように、人を刺さざるを得ない精神状態に陥る可能性は捨てきれません。アーサーも家で銃撃つだけでビビってたのに、大男の時の殺意すごかったからなあ。まあ、無敵の人になったらなったでその時でしょう。

 

ジョーカーになってからの振る舞いは、妙に堂々としていてかっこいいですよね~。電車の中で、ジョーカーを模したお面を被りながら、群衆の中に消えていくとこ好き。電車を降りて、警官を見ながら小踊りしてるのも好き。でも、やっぱり一番は車の上で踊るところかな。あれは、ほんとに良いシーンですよ。自分がいつの間にか貧困層のシンボルになり、暴動の発端にすらなってるのを受け入れてるの、肝が据わりすぎな気もするけど。自分の起こした行動が、あれだけの市民を狂わせるとか絶対楽しいでしょうね。私だったら泣いて喜んじゃう。後半の暴動からは、見ていてずっと気持ちよかった。

 

音楽もクオリティーが高く、ひたすら陰鬱そのものを脳に流し込まれてるかのようでした。レクイエム・フォー・ドリームみたいな感じ。そういえば、作中でモノクロ映像が流れてたけど、あれがモダンタイムスなんですね。名前は聞いたことあったけど、実際の映像は見たことなかったのでありがたいです。モダンタイムスも本編を見なきゃ…。

映画を見終わった後、どうしてもジョーカーの笑い声が頭から離れなくて、予告で聴きなおしては安心していました。あの甲高い笑い声がなかなか面白くて、ずっと釣られて笑いそうになるのを我慢してたんですよね。ほんとに、どうして皆笑ってなかったんだろう。暗い映画なのは分かるけど、あんなにまじまじと見てたら疲れるだろうに。逆に泣いてる人も見当たりませんでしたね。もしかすると、周りにいた観客はみんな心が疲れてたのかもしれないな。でも大丈夫。あの映画を見れば、誰だって人の心を取り戻せるはずです。

 

あとまだ書いてないこと…。煙草かな。作中で煙草を吸うシーンが多くあります。アーサーからジョーカーになっても、煙草を吸うことは一貫して変わりませんでした。これには、どういう意味が込められてるんでしょうね。……とにかくかっこいい!

 

大体こんな感じかな。いろいろ頭の中で感想は浮かんでるんだけど、とっちらかりすぎてうまいこと吐き出せないわ。まあいいか。作文書いてるわけじゃないんだし。怖いとか不安になるとかいう評判を恐れず、いろんな人に見てほしい映画でした。日本からジョーカーが現れる日は来るのかな。その日が来ないことを祈るばかりです。皆さん、これからも喜劇を楽しんで生きていきましょうね。それでは、おやすみなさい。

 

今日のご飯 クリームシチュー