先導者あるいは扇動者

おはようございます。外出先の冷房が寒くて薄着にできない。

 

昨日、Amazonからいくつか映画を調達してきました。その中でも特に気になっていた「帰ってきたヒトラー」を見ることに。

ジャンルがコメディだったので安心して見ていましたが、なかなか風刺の効いた作品で驚きました。自国の首相をめちゃくちゃに貶したり、移民問題のことに触れたりと思った以上に踏み込んだもん作ってましたね。見ててヒヤヒヤしましたよ。ヒトラーも実物見たことない(当たり前)ですけど、めちゃくちゃ似てる。声もそんな感じがする。道行く人たちにインタビューするシーンや演説をするシーンなんかは、本当にヒトラーなんじゃないかって思わずにはいられません。くだらないTV番組や政治家たちへの批判が、ヒトラー役であるオリヴァー・マスッチからではなく、ヒトラーそのものから語られているかのような感覚を抱きました。

全体を通してのテーマはやはり現代に対する警鐘になりますが、ある程度抜けた部分があるのでコメディとしても見れるようになっているのがまたすごい。嘘字幕シリーズが好きな人にはたまらないパロディも仕込まれていて笑っちゃいました。声を大分寄せてるのも面白い。

ドイツの抱える問題、出生率の低下や経済の悪化は日本にも充分当てはまります。特に、現代のドイツで最も深刻な問題は、移民問題だと言えます。日本も遅かれ早かれ、この問題と向き合う日が来るかもしれません。何かの拍子に、ヒトラーのような人物が日本にも現れるかと思うと、とても他人事とは思えませんね。

サクラかどうか分かりませんが、インタビューの中で、祖国のために死ぬという人がいました。個人的に、結構印象に残ってるシーンです。

国民の思いを映す像として帰ってきたヒトラーは活動を続けていることでしょう。日本にヒトラーほどの傑物が出てくるとは思えませんが、もしそのような人物が現れたとしても簡単に扇動されないように政治的関心を高め、問題について自分なりの意見を持っておくことが大事だと思いました。

この作品は、あえてコメディと思いながら見る方が良いかもしれません。

 

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